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玉川大学脳科学研究所が「失敗を成功のもと」にする脳のしくみを解明――自己決定感がやる気を促す効果を脳活動で実証し英国科学雑誌に論文を発表

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玉川大学脳科学研究所(町田市玉川学園6-1-1 所長代行:坂上雅道)の松元 健二(まつもと けんじ)教授とレディング大学の村山 航(むらやま こう)講師らは、自分で選んだ感覚「自己決定感」があると、失敗を「成功のもと」と捉え、やる気が高まり課題成績も向上する脳のしくみを明らかにした。この研究成果は、英国の科学雑誌“Cerebral Cortex”(オンライン版)に2013年12月3日(英国標準時間)に掲載された。( http://cercor.oxfordjournals.org/content/early/2013/12/01/cercor.bht317.abstract )

【掲載論文名】
 How self-determined choice facilitates performance: A key role of the ventromedial prefrontal cortex(自己決定した選択はいかに課題成績を促進するか:前頭前野腹内側部の中心的役割)

 URL:  http://cercor.oxfordjournals.org/content/early/2013/12/01/cercor.bht317.abstract

 一般に「他人任せでなく、自分のことを自分で決める」こと(自己決定)は重要だと言われているが、自己決定が脳にどのような作用を及ぼすかについては分かっていなかった。この研究では、良いことがあると活動が高まる前頭前野腹内側部と腹側線条体に着目し、自分がこれから遊ぶゲームのデザインを、自分で選んだときと強制的に選ばされたときとで脳活動がどう異なるか、脳機能イメージング法を用いて調べた。

 その結果、ゲームのデザインを自分で選んだ場合(自己決定)、たとえゲームで失敗しても,前頭前野腹内側部がそれを「成功のもと」とポジティブに捉え、その結果、やる気と課題の成績が向上することが示唆された。

 この研究は、失敗を「成功のもと」とプラスに捉え、高い学習効果を維持する、学習者中心の教育方法の開発と普及、ひいてはやる気に満ちた社会の実現に貢献すると期待される。

▼本件に関する問い合わせ先
 玉川学園 教育企画部 キャンパス インフォメーション センター
 〒194‐8610 東京都町田市玉川学園6‐1‐1
 TEL: 042-739-8710
 FAX: 042-739-8723
 E-mail: pr@tamagawa.ac.jp