立命館大学

立命館大学理工学部 道関隆国教授の研究グループがLED発電を用いたゼロ待機電力起動回路を世界で初めて開発

大学ニュース  /  先端研究  /  産官学連携

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

立命館大学理工学部 道関隆国教授はセイコーインスツル株式会社と共同で、LED発電を利用し、使用時にのみ機器(ワイヤレスマウスやリモコン受信機など)が起動するゼロ待機電力の起動回路を開発した。待機電力を限りなくゼロにできる外部ON/OFFスイッチのないワイヤレス機器の起動回路の開発は世界でも初めての成果となる。

 ワイヤレスマウスやリモコン受信機などの電池駆動のワイヤレス機器には、外部に必ずON/OFFスイッチが付いており、機器を使用するたびにそのスイッチを操作する必要がある。この理由は、従来のワイヤレス機器の端末には信号を検出するセンサが必要であり、センサの待機電力が大きいため、電力の無駄な消費を防ぐために未使用時にはスイッチを切る必要があるためである。

 本研究では、機器の電子回路を工夫することにより、待機電力を限りなくゼロにできる「ワイヤレスマウス」と「リモコンカー」を開発した。

 「ワイヤレスマウス」は2つのLEDを有しており、マウスに触れない場合には2つのLEDが可視光により微量に発電する。使用時、マウスに触れた際に1つのLEDが手で隠され、発電が遮断されることでマウスが起動する仕組みになっている。この回路により、待機時の電力を限りなくゼロにすることができ、1日3時間マウスを利用したと仮定すると、従来製品よりも約2倍の電池の持ち時間を実現することができる。

 「リモコンカー」は、車に搭載したLEDに赤外線リモコンを照射するとLEDが発電し、その電力で起動回路が起動し、車が動き出す仕組み。本起動回路はLEDの発電電力で動作するため、待機電力をゼロに抑えることができ、ラジコンカー本体のスイッチも無くすことができた。

 今回開発した技術は、電池駆動の機器で特に有効だが、テレビやエアコンなどのワイヤレス機器を利用した家電や、ビデオゲーム本体の受信機などへの応用も期待され、実用化されれば家庭の電力消費量を抑えることにもつながる。

▼本件に関するお問い合わせ先
 立命館大学リサーチオフィスBKC
 TEL: 077-561-2802
 立命館大学広報課
 TEL: 075-813-8300

4901 可視光LED発電による起動回路を備えたワイヤレスマウス

4902 赤外光LED発電による起動回路を備えたリモコンカー