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大阪大学と企業7社で「阪大スタイル産学共創教育事業」3つの育成プログラムを展開 -- コロナ新時代を切り拓く女性リーダー育成に向けて

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大阪大学は、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」※1 の“牽引型”ならびに“全国ネットワーク中核機関(群)”の採択を受け、関西ならびに全国における、大学、研究機関、企業の壁を超えた女性活躍と女性研究者・技術者の育成に向けた取組を牽引しています。2020年度は、大阪大学とダイキン工業株式会社に加え、シスメックス株式会社、三洋化成工業株式会社、大和ハウス工業株式会社、西日本電信電話株式会社、ロート製薬株式会社、サラヤ株式会社(順不同)とともに、「産学共創教育事業※2」を開始しています。この10月から本事業において、コロナ新時代を切り拓く女性リーダーの育成を目指し、「女性リーダー育成プログラム」「育休中キャリアアップ支援プログラム」「女性大学院生と企業等との交流会」の3つのプログラムを実施します。

1女性リーダー育成プログラム <2020/10/29~>
 理系分野における女性リーダーの育成を目指し、大学院講義科目「イノベーションとインクルーシブ・リーダーシップ※3」を開講します。
 「インクルーシブ・リーダーシップ」とは、多様性が真に活きるインクルーシブな組織づくりを可能とするリーダーシップで、不確実性の高い時代にありながら革新性・創造性の高い組織運営をするために重要な資質です。大阪大学の女性大学院生と企業の若手女性社員が混合チームを作り、ディスカッション、プレゼンテーション等を通して、自らの意識と行動を変えるきっかけを作れるよう、急速な変化の時代に対応するスキルや知識を学びます。
 今年度は、コロナ新時代の環境に対応できるオンライン方式のプログラムとします。組織マネジメント・リーダーシップを発揮するため、「オープンカンバセーション」によるリアルタイムなアイデアの創出を授業内容に直ちにフィードバックさせる新機軸も取り入れます。
 企業6社から28名、女性大学院生14名が自宅や勤務先、研究室など、さまざまな環境下からオンラインで受講します。

2育休中キャリアアップ支援プログラム <2020/10/1~>
 このプログラムは、育児休暇中の期間をキャリアアップのために有効活用できる仕組みとして、企業の社員が、人間科学部、経済学部及び工学研究科の授業を学生と共に受講するものです。昨年度実施した結果、社員、学生、担当教員の「三方よし」であったことから、対象企業を拡げ、科目も拡大して実施します。
 社員の方は本学の科目等履修生※4 として受講します。オンラインの授業では自宅から受講できます。対面型授業では、大阪大学の3キャンパスに設置されている一時預かり保育室に子供を預けて履修することができます。

3女性大学院生と企業等との交流会 <2020/11/11 @オンライン>
 理系6研究科の研究科長から推薦された優秀な女性大学院生46名が、社会と研究のつながりを知り、自身の研究を深化させ、女性研究者としてのキャリア形成意識を向上させることを目的に、企業や研究機関(19機関)との交流会を2020年11月11日に開催します。今回は、オンラインによるバーチャルな交流会として2部構成で開催します。
 第1部では大学院生が、専門ごとにグループ化したオンライン上の部屋にわかれ発表します。個々の発表内容等は、オンラインアンケートにて企業の人事担当者および研究者からご評価いただきます。
 第2部では、企業数社ごとにグループ化し、学生が訪問する形をとります。そこで企業紹介をしていただき、さらに、小グループに分けて交流します。
 優れた研究発表をした大学院生に、本学の教員の選考を経て、「大阪大学女性大学院生交流会優秀発表賞」と副賞を授与します。また、将来的には、所属研究室との連携や共同研究等に発展していくことも期待されています。

■昨年度の各プログラム修了生の声
【女性エンジニアリーダー育成プログラム】
・(学生)リーダーシップを意識したのは初めて。女性社員との交流で、将来のイメージもできてよかった。
・(社員)意識や考え方が違う学生と議論し、刺激を受けた。
【育休中キャリアアップ支援プログラム】
・仕事に役立つ知識や教養が得られて、毎回、刺激的でした。
・一時的にせよ仕事を離れ、キャリアを積めなくなることに不安があったが、このプログラムに出会い、手を差し伸べられたと感じた。
・一人の子供に一人の保育士が付く充実した体制で、安心して勉強に集中できた。

■用語説明
※1 文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」
 女性研究者がその能力を最大限発揮できるよう、研究と出産・育児等のライフイベントとの両立や女性研究者の研究力向上を通じたリーダーの育成を一体的に推進するダイバーシティ実現に向けた大学等の取組を支援する事業です。
 ''牽引型''は、大学や研究機関が企業等と連携し、連携する各機関はもとより、その他の機関を含めた地域や分野における女性研究者の活躍促進を牽引する取組であり、大阪大学は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、ダイキン工業株式会社とともに2016 年度に採択されました。
 http://www.danjo.osaka-u.ac.jp/2016/09/post-3171/
 https://www.daikin.co.jp/press/2016/20160907/
中間評価では、最高評価であるS評価を受けています。
 http://www.diver.danjo.osaka-u.ac.jp/news/post-10116/

 ''全国ネットワーク中核機関(群)''は、国内外の取組動向の調査や経験、知見の全国的な普及・展開を図るための全国ネットワークの構築を目指す取組であり、大阪大学は全国唯一の代表幹事大学として、2018年度に採択された。現在、国公私立大学、研究機関、企業等の156機関が参画しています。
〔 ウェブサイトOPENeD https://www.opened.network/ 〕

※2 産学共創教育事業
 大阪大学と企業が協働して、ウイズコロナ・ポストコロナ時代を切り開く新たな価値創造に挑戦する女性リーダーの育成と、すそ野拡大を図る先駆的な人材育成事業を展開します。全国のモデルケースとなるよう、今年度の実績を踏まえ、来年度からはさらなる展開を図り、リカレント教育や研究力向上を図る取組も強化します。

※3 インクルーシブ・リーダーシップ
 一人が率いる旧来型リーダーシップとは異なり、組織内の一人ひとりのなかにある多様な能力・資質を引き出しながら、全体として組織に高い貢献をすることができるよう導く「個の尊重」と「関係性」に注目した新しいタイプのリーダーシップ概念。インクルーシブなリーダーの下では、個人の強みが生かされるため、チームとして最大の成果も生まれるとともに、組織の成長が期待されます。

※4 科目等履修生
 大阪大学では、正規の学生以外の方が、大阪大学の学部又は大学院の特定の授業科目の履修を希望する場合、選考の上、当該授業科目を「科目等履修生」として履修することを認める制度を実施しています。履修する授業科目の試験を受けて合格すれば、大学の正規の単位を修得することができます。

handai1.jpg <参考>女性リーダー育成プログラム講義

handai2.jpg <参考>育休中キャリアアップ支援プログラム授業科目(例)