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【京都産業大学】太陽系起源の解明につながる特殊な低温度新星爆発を発見

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京都産業大学 神山天文台とアマチュア天文家からなる研究グループは、2020年7月に発見された「カシオペア座新星2020」を調査し、可視光極大付近の低分散分光スペクトルから、低温度環境でしか存在できない炭素分子およびシアンラジカル分子の同時検出に成功した。

京都産業大学 神山天文台らの研究グループは、新星においては世界2例目となる炭素分子およびシアンラジカル分子(炭素原子と窒素原子が結合した不対電子を持つ分子)の同時検出に成功した。
新星爆発における炭素分子、シアンラジカル分子の生成は、本学が2014年に世界で初めて発見した現象であり、新星爆発の爆発メカニズムの解明だけでなく、太陽系の起源の解明にもつながる重要な研究となる(図1)。
今回の観測には、岡山県在住のアマチュア天文家が大きく貢献されており、神山天文台における生涯教育の一環として行ってきた、学外・市民研究者との協働の成果でもある。

むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学

<関連リンク>
特殊な低温度新星爆発を発見:カシオペア座新星2020(V1391 Cas)において炭素分子とシアンラジカル分子の検出
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20210202_859_nova.html

京都産業大学神山天文台
https://www.kyoto-su.ac.jp/observatory/

▼本件に関する問い合わせ先

京都産業大学 広報部

住所

: 〒603-8555 京都市北区上賀茂本山

TEL

: 075-705-1411

FAX

: 075-705-1987

E-mail

kouhou-bu@star.kyoto-su.ac.jp

a1.jpg 図1:新星爆発で作られる物質が、星・惑星系の材料になるイメージ図。新星爆発では、今回発見された炭素分子やシアンラジカル分子以外にも様々な分子が作られ、それらがもとになって出来るダスト粒子が宇宙に撒き散らされる。こうした物質が、いずれ太陽系のような星・惑星系の材料の一部になったと考えられている。 (クレジット:京都産業大学/NASA/JPL-Caltech)

a2.jpg 図2:新星において炭素分子とシアンラジカル分子が同時検出されたカシオペア座新星2020(V1391 Cas)のスペクトルの時間変化。等級(全体の明るさ)や見られる成分(明るい部分や黒い部分の位置や強度)が日ごとに変化していくことがわかる。2020年8月12日の黄色い矢印の部分に炭素分子による吸収(黒くなっている現象)が見られる。この新星では、3日程度で炭素分子やシアンラジカル分子の兆候が消失してしまうことが明らかになった。 (クレジット:京都産業大学)

a03.jpg 図3.本研究で用いた分光データを取得した藤井黒崎天文台の反射式望遠鏡(口径40cm、F/10)と可視光低分散分光器 (画像提供:藤井 貢氏)