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【2023大学入試】大学入学共通テストの志願者数が確定 -- 現役生の割合が過去最高に。浪人生は6年連続で減少

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23年1月14日・15日に実施される「大学入学共通テスト」の志願者数が、独立行政法人大学入試センターから発表された。3回目となる23年度の志願者数は、51万2581人。前年度と比べて1万7786人減り、減少率は3.4%。大学入試センター試験も含めると5年連続の減少だ。

 23年3月の高等学校等卒業見込み者は、前年より約2万7千人(2.7%)減と大きく減る予定だ。高等学校卒業見込み者(現役生)の共通テスト志願者は、43万6873人。前年と比べて約1万2千人(2.8%)の減少だが、現役志願率(現役生のうち共通テストに出願した者の割合)は45.1%で過去最高となった22年と変わらない。現役生の減少は、高校3年生の自然減によるものだ。

 一方、浪人生の志願者は6.7%減少し、前年の減少率5.2%を上回った。さらに、共通テスト志願者のうち浪人生が占める割合は14%と過去最低。現役志向の高まりとともに、浪人生が減り続けている。

 22年に実施された共通テストは、多数の科目で平均点が下がり、過去最低となった数学1・数学Aをはじめ、数学II・数学B、日本史B、生物などでは10点以上もダウンした。23年度は2年分の過去問があるとはいえ、毎回新しい形式の出題が含まれ、問題の情報量が多く読解に時間を要するため、限られた時間内で問題を解けるように練習も必要だ。平均点が下がっていることや、受験準備の負担に耐えられず、私立大3教科型を志望する生徒の中には、受験をためらうケースもありそうだ。

 大手予備校では、23年度も難易度に変わりはないか、やや厳しくなると見ている。平均点も昨年並みと見られているが、国公立大を志望しない層が抜ければ、やや上昇することもあるかもしれない。

 不況や物価上昇といった家計不安を背景に、私立大よりも学費の安い国公立大の人気は高い。また、私立大の共通テスト利用選抜は一般選抜よりも受験料が安く、共通テストのみで合否を判定する方式の場合、移動による感染リスクも避けられる。難関大でも共通テストを併用する一般選抜を実施しており、学部や方式によっては共通テストを受験しなければ出願ができない大学もある。国公立大はもちろん、難関私立大を志望する生徒にはほぼ必須のテストとなりつつある。

 23年度入試で共通テストを利用する大学は711校(国立82、公立94、私立535)、専門職大8校(公立2、私立6)。公立大が1校増え、22年に公立大となった周南公立大が、23年度から公立型の入試に移行する。