長浜バイオ大学

未来へつなぐ里山の宝 ヤマトサンショウウオと新たな保護池

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2024年11月24日、長浜市田村山でヤマトサンショウウオの保護活動が行われ、地域住民や小学生、長浜バイオ大学の学生ら約70名が参加しました。この活動は、クラウドファンディングで集まった約165万円を活用し、新しい保護池を整備するもの。産卵場所確保や外来種アメリカザリガニの駆除を通じて、貴重な里山の生態系を守る取り組みです。参加者は自然の大切さを学びながら汗を流し、小学生からは「頑張ってよかった」との声も。地域の理解と協力を得て、次世代につなぐ自然保護活動が進んでいます。

 2024年11月24日(日)、長浜市田村山で希少種ヤマトサンショウウオを保護する活動を行う田村山ネットワーク(会長:長浜バイオ大学 齊藤修教授)が、新しい保護池の整備に取り組みました。
 この活動には地域住民やネットワークのメンバー、長浜バイオ大学の学生、小学生グループなど約70名が参加しました。クラウドファンディングで寄せられた約165万円を活用し、道路や側溝を越えずに産卵できるよう、山際に新たな池を整備するのが目的です。

 当日は齊藤教授の案内で田村山の遊歩道を散策し、豊かな里山の自然環境について学んだ後、保護池整備に取り掛かりました。斜面に石を積み、しっかりと固定する作業に参加者は汗を流しました。
 小学生の一人は「石を置くのが大変だったけど、サンショウウオのために頑張った」と笑顔で話し、地元の住民からは「自分たちの地域にこんな貴重な生き物がいることを知れて誇りに思う」との声が聞かれました。

 また、この日は既存の保護池でのアメリカザリガニ駆除も行われました。アメリカザリガニは外来種で、ヤマトサンショウウオの卵や成体を捕食してしまうため、定期的な駆除が必要です。池の水をバケツですくい、岩の隙間に隠れるザリガニを手作業で捕獲する地道な作業が続き、この日は60匹以上を駆除しました。
 参加した小学生の中にはザリガニ好きの子どももおり、「なんで駆除しないといけないの?」との質問に、齊藤教授が「ザリガニは他の生態系を脅かすから仕方ないんだ」と、優しく説明する場面もありました。

 ヤマトサンショウウオは冬場に山から降りて産卵する習性があり、2月ごろになると保護池で産卵が確認されます。この日は既存の池でオス1匹が発見され、齊藤教授は「山から降りてくるメスを待っているのだろう」と推測しました。
新しい保護池が完成すれば、現在の池からサンショウウオを移し、約5年をかけて新池での産卵が定着すると期待されています。

 齊藤教授は「田村山の自然環境を未来に残すため、地域の理解と協力が欠かせない。この活動がそのきっかけになれば」と話し、多くの参加者が集まったことに喜びを見せました。
 新しい保護池は地下水をくみ上げるポンプを設置する予定で、地元の人々とともにヤマトサンショウウオを守る取り組みはこれからも続きます。

▼本件に関する問い合わせ先

アドミッション・オフィス 広報担当

西村 泰昭

住所

: 滋賀県長浜市田村町1266番地

TEL

: 0749-64-8100(代)

FAX

: 0749-64-8140

E-mail

kouhou@nagahama-i-bio.ac.jp

20241124tamurayamahogo (2).JPG 保護池移設の説明をする齊藤教授

20241124tamurayamahogo (3).JPG 保護池の石積みをする参加者

20241124tamurayamahogo (6).JPG 既設の池の水を汲みだしてアメリカザリガニなどの外敵を駆除しました

20241124tamurayamahogo (7).JPG ヤマトサンショウウオのオスを発見

20241124tamurayamahogo (10).JPG 子どもたちと一緒に外来種の駆除について学びました