【ニュース特集】ヒトや植物の健康を守る 子どもを救う視点も提供(26年7~8月のアクセスランキング30)
超高齢社会を迎え、歯周病対策に注目が集まっている。歯を失うことが口腔の機能低下(オーラルフレイル)につながり、要介護リスクを高める一因となるためだ。
日本大(東京都千代田区)歯学部歯周病学講座の蓮池聡准教授、同学部感染症免疫学講座の今井健一教授らは、大阪大(大阪府吹田市)微生物病研究所の幸谷愛教授らとの共同研究で、成人の半数以上がかかるとされる歯周病の悪化にウイルスが関与している可能性を突き止め、そのメカニズムを世界で初めて解明した(17位)。
歯周病はこれまで、歯を支える骨が細菌の毒素などによって溶かされることで進行すると考えられてきた。しかし、臨床現場では細菌の量が少ないにも関わらず急速に骨が溶ける重症患者もみられるなど、細菌だけでは説明できないケースがあった。一方、歯周病患者から「エプスタイン・バーウイルス(EBV)」と呼ばれるウイルスが検出されることから、その関与が疑われていた。
研究グループは、ヒト化モデルマウスを用い、EBV感染から骨を壊す破骨細胞の活性化に至るメカニズムで、骨吸収を伴う歯周病様病変が起きることを突き止めた。また、実際の歯周炎患者でもこの脂質分解酵素が多く発現していること、さらにこの酵素の阻害薬の投与によって骨吸収に関連する分子の発現が抑制されることも発見した。
蓮池准教授は「細菌とウイルスの協調による重症化の仕組みを示せた。既存の阻害薬を活用して急速に進む歯周病を抑える道を開きたい」と説明する。
(https://www.u-presscenter.jp/article/129648)

大学の研究成果を社会インフラに生かし、社会的価値の創出につなげるケースにも注目が集まる。
法政大(東京都千代田区)は8月5日付で、農林水産大臣から、輸出用種苗の登録検査機関として登録された。私立大学としては全国で初めてとなる。同大植物医科学研究センターを拠点に、海外に輸出する植物の種苗などが、輸入国が指定する病害に感染していないかを検査する(11位)。
植物や種苗を海外へ輸出する際には、病害虫の侵入で現地の農業に被害が及ぶのを防ぐため、輸出先国が定める植物検疫上の要件を満たす必要がある。2022年の植物防疫法の改正では、植物などの輸出拡大に対応するため、一定の要件を満たす民間機関も検査を行える制度が整備された。
植物医科学研究センターは25年度に設立された研究・教育拠点で、植物の病害虫診断をはじめ、専門人材の育成や、農業現場と連携した技術開発などに取り組んでいる。法政大では同センターを中心に、植物の病気を正確に診断する技術や専門教育を受けた検査担当者をそろえるとともに、公正性・中立性を担保する運営体制を整備し、今回の登録に至った。
同大では、今後も登録検査機関として種苗の国際流通を支えるとともに、植物防疫を担う人材の育成や、安全・安心な農業生産の推進に力を入れる。
(https://www.u-presscenter.jp/article/130389)

ニュースや日常の出来事から浮かぶ「なぜ?」を起点に、研究者らが専門的知見をもとに分かりやすく解説する特設サイト「問いの編集室」を公開しているのが創価大(東京都八王子市)だ。8月には「なぜ不登校は急増し続けるのか?」について、教育学部の戸田大樹教授が解説した(30位)。
戸田教授は、不登校増加の背景の一つに、子どもの「自己受容感」の低下を指摘する。その要因に挙げるのが、日本の家庭や学校に根付く「勉強しなければならない」「学校に行くべきだ」といった「ねばべき思考」だ。大人自身がこうした学習観に縛られ、子どもに指示や命令を重ねることで、子どもがありのままの自分を受け入れる感覚を損ねてしまうという。
そこで戸田教授は、大人が自らの学習観を問い直し、子どもの気持ちや行動の背景に寄り添う「受容・共感的な関わり」へ転換することを提言する。本来、学びや遊びは強制されるものではなく、自ら自由に楽しむものだとし、乳幼児期から肯定的な言葉かけや触れ合いを重ねることが、困難を乗り越える力の土台になると説く。不登校の問題を、大人の学習観や子どもとの関わり方から問い直す視点は多くの示唆に富んでいる。
(https://www.u-presscenter.jp/article/130099)

■大学プレスセンター ニュースアクセスランキング(2026年7月21日~8月20日)
[1]清泉女子大学(東京) 長野県茅野市、株式会社白樺村、株式会社Community Plusと白樺湖地域における地域活性化包括連携協定を締結。国内有数の観光リゾート地で、地域創生に関する教育・研究活動を展開。(8/5)
[2]関西学院大学(兵庫) 8月1~9日まで夏のオープンキャンパスを開催。来場型とウェブ型で全14学部の魅力を発信。(7/29)
[3]関東学院大学(神奈川) 8月21日に「KGU関内大学」第1回「宇宙をめぐるロマン~星の大爆発の謎に迫る!~」を開校。(8/10)
[4]関西大学(大阪) 8月26日に名古屋市内で関西学院大、同志社大、立命館大とイベント「Discover KANSAI!」を開催。4大学の学長による座談会のほか、山里亮太さんのトークショーや学生座談会も。(8/5)
[5]昭和女子大学(東京) 28年4月、食健康科学部の「食理学部(仮称)」への再編を構想中。「生命科学科(構想中)」を含む4学科体制で、食を取り巻く社会課題を科学的・総合的に解決する人材の育成を目指す。(8/3)
[6]藍野大学(大阪) 大塚製薬と包括連携協定を締結。学生教育や地域への健康啓発、研究成果の発信などを推進。(7/23)
[7]東京都市大学(東京) 7月に「2026年度アジア・大洋州5大学連合サマーキャンプ in 湘南国際村」を開催。7か国27人の学生が多国籍チームに分かれ、事業管理手法であるPCMを学び、異文化理解を深めた。(8/7)
[8]広島国際大学(広島) 8月6日に東広島市教育文化振興事業団とシンポ。特別講演にJOC会長の橋本聖子氏が登壇。(7/22)
[9]北海道医療大学(北海道) YOSAKOIソーラン祭り部が「第35回YOSAKOIソーラン祭り」U-40大会で優秀賞を受賞。(7/23)
[10]追手門学院大学(大阪) 同大のOIDAI DXプロジェクトが「日本DX大賞」価値創造部門で大賞を受賞。学生の体験価値(CX)向上を目的にリリースした「OIDAIアプリ」「統合データベース」「OIDAI+」が評価。(7/27)
[11]法政大学(東京) 同大植物医科学研究センターが私立大学で初めて、農林水産省の定める「登録検査機関」に。(8/10)
[12]東京工科大学(東京) メディア学部生参加のチームが「BitSummit Game Jam 2026」で「BitSummit Student Award」を受賞。(7/24)
[13]近畿大学(大阪) 情報学部が27年度総合型選抜で、自己PR動画制作やプレゼンテーションの準備に生成AIの活用を認める。選考では生成AIの利用の有無にかかわらず、受験生自身の能力や思考、独自性を重視。(7/25)
[14]愛知大学(愛知) 創立80周年記念事業の一環として9月に開設される、同大初の「愛知大学留学生寮」のオープニングセレモニーを開催。協定留学生と日本人学生が共同生活を送り、学び合う新たな国際交流拠点が誕生。(8/5)
[15]東京都市大学(東京) 10~11月に社会人向けリカレントプログラム「DX推進人材育成コース」を開講。(8/7)
[16]多摩大学(東京) フットサル部が「全日本大学フットルサル大会」関東大会で優勝。8月の全国大会決勝戦では準優勝に。(7/22)
[17]日本大学(東京) 歯周病の増悪にウイルスが関与している可能性を、大阪大などとの共同研究グループが突き止める。(7/28)
[18]武庫川女子大学(兵庫) 同大の学びを描くテレビドラマ「向こう側の僕」が8月から岡山、鳥取・島根、愛媛エリアでも放送開始。(8/5)
[19]金城学院大学(愛知) キャンパス内で暮らす学内猫を見守る学生と教職員の取り組み「金猫プロジェクト」が、猫のおやつと啓発メッセージを封入したカプセル販売機「金猫ガチャ」を制作。動物福祉について考えるきっかけに。(7/24)
[20]関西大学(大阪) 著名な建築家・村野藤吾も設計に携わった学生会館「誠之館」のお別れイベントを8月に開催。建て替え後の新館は29年3月完成予定で、大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の一部を再現予定。(8/6)
[21]日本大学(東京) 学生の主体的な挑戦を支援する同大の「自主創造プロジェクト」で、薬学部と理工学部の女子学生らがこだわりの化粧品「Le Caché(ル・カシェ)」を開発。学内購買部で先行販売スタート(税込990円)。(7/22)
[22]青山学院大学(東京) 自転車用ヘルメットのあり方を検討する警視庁、山野美容専門学校、良品計画との取り組み「みんなのヘルメットプロジェクト」で「風が抜ける自転車ヘルメット」を開発。無印良品の一部店舗などで順次発売。(8/3)
[23]甲南女子大学(兵庫) 「26年学部系統別実就職率ランキング」(調査:大学通信)の複数の学部系統で上位にランクイン。また「実就職率ランキング」(卒業生数100人以上1000人未満)でも西日本の女子大2位に。(7/29)
[24]工学院大学(東京) レーシングチームがものづくりの総合力を競う8月開催の「学生フォーミュラ日本大会2026」に参戦。(7/23)
[25]成蹊大学(東京) 「有名企業400社実就職ランキング」(大学通信)の卒業者数1000人以上2000人未満の私大で全国1位に。(8/6)
[26]立教大学(東京) 10月31日開催の東京六大学野球秋季リーグ戦(対明治大)で、学生、保護者、校友など最大1000人規模の関係者を無料招待する「応援イベント」を開催。オリジナル応援Tシャツの無料配布も。(8/4)
[27]跡見学園女子大学(東京) マネジメント学部展開ゼミナール(佐藤千里兼任講師)のゼミ生らが、花王の研究開発部門との「Z世代と共創する『技術の伝わり方』検証プロジェクト」に参加。実社会の課題に触れながら学ぶ機会に。(7/31)
[28]近畿大学(大阪) 8月にオープンキャンパスを開催。人気番組の出演者による特別企画「学部選びリアリティショー」も。(8/19)
[29]京都橘大学(京都) 7月に小学生対象の「たちばなサイエンスデー」を開催。「フシギ」をテーマにものづくりや実験を紹介。(7/21)
[30]創価大学(東京) 同大の特設サイト『問いの編集室』に、最新記事「なぜ不登校は急増し続けるのか?」を掲載。(8/6)