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平成20年度文科省「質の高い大学教育推進プログラム」(教育GP)に、中央大学の『地域活性マインドを有する高度職業人の養成』が選定

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中央大学経済学部の『地域活性マインドを有する高度職業人の養成』が、平成20年度文部科学省「質の高い大学教育推進プログラム」(教育GP)に選定された。

 近年、経済のグローバル化に対応して地方分権の実効性をもたらす政策課題の重要性が一層高まっている。とりわけ、地域活性化の課題に対応するための政策は、地域の歴史的な背景に基づき、自治体あるいは地域レベルにおける持続的な取組にその基礎が置かれる必要がある。
 しかし、各地域における持続可能なガバナンス機能の向上が十分に実現していない現状にあっては、各地域の歴史と現状を正確に分析し、政策課題にかかわる「計画・実施・評価・改善」プロセスを高度な専門性の下に推進する人材の養成が急務の課題となっている。

 中央大学経済学部の取組『地域活性マインドを有する高度職業人の養成』は、建学の精神に基づく確実な知識とその応用力の涵養という「実学重視」教育の今日的展開を志向しながら、現代社会の複雑化からの要請である「循環型社会システムの構築」及び「環境対応型社会ネットワークの形成」等を担う人材養成という諸課題に積極的に応えることをめざしている。
 そのため、2004年度の文部科学省「現代GP」において採択された「『中大・八王子方式』による地域活性化」を通じて同大が周辺地域自治体との共同事業の中で構築した地域活性スキームを活用し、これに基づく教育プログラムを発展的に学士課程段階の同大経済学部において展開することにより、地域における実務的な政策主体である自治体担当者との良好なコミュニケーションと機動的な組織運営能力を兼ね備えた「地域活性マインド」を有する高度専門職業人を養成するものである。

 同取組における教育課程の創意工夫は、「『中大・八王子方式』による地域活性化」の成果として同大が獲得した地域活性スキームを、同大経済学部が2007年度からの新カリキュラムで導入した「クラスター教育プログラム」において展開することにある。
 各クラスターにおける「基本科目」及び「関連・発展科目」を通じた体系的な学修に加え、これらの学修を通じて得た理論的・実践的専門知識を実践知へと転換させる「クラスター演習」や、実社会(ロールモデル等)との接点を提供する「クラスター特殊講義」により、複雑化した現代社会で必要な高度専門職業人スキルや能力の養成・獲得を狙いとしている。

 また、教育方法の創意工夫のポイントは、経済学部クラスター教育プログラムや、各学部設置科目を有機的にリンクさせた学際的テーマの下に展開する教育プログラム「FLP」を通じた事前の体系的学習に立脚し、「中大・八王子方式」の地域活性スキームを「クラスター演習」での実践力体得のための実践的フィールド教育において展開することにある。
 さらに、同取組の成果公表の一環として、参加学生の作成レポートをWebサイト上に日本語・中国語・英語で発表する機会提供や、中国天津市と同大との共同授業による「日中地域経済開発プログラム」の開発を通じた、中国の天津市における地域経済開発に関して直接中国人教員と自治体関係者から講義・指導を受ける機会提供を通じ、同取組で養成する人材に求められる国際的視野とコミュニケーション能力の涵養にも配慮している。

 同教育プログラムを通じて期待される効果は、環境を中心とした地域活性化に関する学問と実践とが、大学の枠を越えた国内地域や国際社会の場において融合的に実践・展開することで、学生における活きた学問の体得と、社会に貢献する大学教育の実現にある。
 特に「クラスター演習」にて対応する地域活性化プランを東京都の八王子市、日野市、岩手県の紫波町と実際に共同で策定して実施し、当該成果を東京都の町田市、埼玉県の秩父市に広げて推進するとともに、中国天津市とも地域開発の共同教育プログラムを開発することで、地域ガバナンスの専門知識に立脚した地域活性マインドを有し、グローバル化する世界の社会経済システムの進展に対応して地域社会の活性化に貢献できる高度専門職業人を安定的に輩出していくことも具体的な社会へのフィードバックとして期待される。

▼本件に関するお問い合わせ先
 中央大学GP
 〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1
 TEL: 042-674-2092
 http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/gp/index_j.html