学校法人 立命館

関西地区初のIBディプロマ・プログラム候補校認定およびAIP(アドバンスド・イマージョン・プログラム)の新設について──立命館宇治高等学校

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このたび、立命館宇治高等学校はIB(国際バカロレア)―DP(ディプロマ・プログラム)候補校として、1条校では関西地区初の正式認定を受けた。また、IB―DPに繋がるカリキュラムを備えたAIP(アドバンスド・イマージョン・プログラム)を2009年4月より新設することを決定した。
 時代が求めるのは「国際水準の教育」
 目指すのは「国際的リーダーの育成」

1.IB(国際バカロレア)DP(ディプロマ・プログラム)とは?
 国際バカロレア(IB)は1968年に設立された財団法人「国際バカロレア機構」(IBO:本部=スイス・ジュネーブ)によって作られた国際的教育プログラムである。これは、来るべき国際社会に対応するため、世界のどの国でも通用するカリキュラムとして開発され発展してきた。

 IBプログラムはプライマリ・イヤーズ・プログラム(PYP)、ミドル・イヤー・プログラム(MYP)、ディプロマ・プログラム(DP)の3つに分かれている。現在、IB認定校は世界で131カ国2449にのぼり、生徒総数は669,000人以上である。

 その中でもDPは高校の後半2年間に実施され、修了試験で一定以上の成績を収め学位(ディプロマ)を取得することができれば、世界中の一流大学で入学資格として認められる。

 このDPカリキュラムでは、すべて英語を使用し、物事をさまざまな角度から捉える分析力や思考力、表現力、コミュニケーション力、国際社会に不可欠な異文化理解能力などを養う。また、旺盛な探究心や他者への思いやりを備えた人材を育成することを目的としている。
 その意味で、IB―DPは従来の日本の教育にはなかった高度な総合教育、全人教育であると言える。

2.関西地区初のIBディプロマ認定校に
 立命館宇治高等学校は、2008年11月末、正式に国際バカロレア機構(IBO)より関西初のIBディプロマ・プログラム候補校として認定を受けた。

3.教育の成果を生かした新たな教育改革
 立命館宇治高等学校では、開校以来「グローバルな舞台で活躍する「国際的リーダー」の育成」を目標に、先進的な国際教育を積極的に展開し、各方面から高い評価を得てきた。
 2002年からは、全国の私学で唯一2期連続6年間にわたり、文部科学省SELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)研究校の指定を受け、国際社会で求められる学力と高い英語運用能力の形成を目指した多様な教育に取り組んできた。
 特に、全国に先駆けて実施してきた国語以外の全ての授業を英語で行うIP(イマージョン・プログラム)授業や1年間の海外留学研修、27名のネイティブ教員による実践的授業を特徴とするSELコースプログラムなどを通して、国際的な人材の輩出と学校の国際化に大きな成果を残してきた。
 立命館宇治高等学校では、これまでに培った教育の成果を最大限に生かし、更に高いレベルの教育を展開するためにIB・ディプロマプログラム(DP)を開始する。

(1)更に進化した「国際的リーダーの育成」を目指して
 日本の多様化と国際化が急速に進む今日、国際社会で通用する教育基準を持つことは、「グローバルな舞台で活躍する「国際的リーダー」の育成」を目指す同校にとっては大変重要なことである。世界で評価された高度な教育プログラムであり、少人数による徹底した全人教育を展開するIB―DPは、それを可能にする最善の方策と考える。

(2)IB教育理念を通した、新たな学校教育への挑戦
 日本におけるIB教育はインターナショナルスクールにほぼ特化されたものであり、国内の認可校14校の内、いわゆる1条校は静岡の1校のみである。
 立命館学園の附属校であり、約1,200名の生徒が学ぶ立命館宇治高等学校にとって、IB―DPを導入することは、単に15番目のIB校に名を連ねることであるとは考えていない。同校は、IB教育を一握りの生徒のための特別な教育に留めることなく広く全校生徒にも反映することで、学校教育を根本から大きく変革する道筋を選択する。
 教育のプロセスを重視する教育理念を導入することは、これまでの大学受験の知識の詰込み教育、偏差値重視の教育を根本的に覆す、新たな教育改革への挑戦を意味する。

4.AIP(アドバンスド・イマージョン・プログラム)の新設
 中等教育の最終2年間を対象としたディプロマ・プログラム(DP)は、日本の高校教育の2・3年生にあたることから、以下の対応をとる。
(1)既に高い実績を積み重ねているSELコースのイマージョン・プログラム(IP)を発展させたアドバンスド・イマージョン・プログラム(AIP)を新設する。
(2)1年次はIBプログラムへの導入的学習を行い、2・3年次は国際バカロレア機構が定めたカリキュラムを履修しながらDP資格の獲得を目指す。同時に、日本の高校卒業資格要件を満たすカリキュラムも用意する。
(3)10名程度から最大でも27名の徹底した少人数クラスである。
(4)海外の教員養成プログラムに参加し資格を得た専属教員が指導する(教員は定期的に研修が義務づけられ、常に高い教育力が要求される)。

5.評価方法・大学入学条件
(1)評 価: 国際バカロレア機構に在籍する各分野で権威をもつ教官が行う。試験は全て英語で行われ、24/45ポイント以上の評価を受ければ資格が認定される。
(2)大学資格: IBディプロマ資格を取得した者は、大学レベルの学習に十分対応できるだけの実力が備わっていると評価される。現在、日本を含む世界100カ国以上の大学で入学資格の認定を受けている。 

例1・・・ハーバード大学におけるIB入学者は82名(2008年度)、1学年2,000人規模の学校としては大きな割合を占めている。ケンブリッジ大学はIBポイントにより無試験入学が可能である。
例2・・・QS World University Rankings 2008トップ200にランキングされた日本の10大学すべてがIB資格を入試時に何らかの優遇要件として認めている(東大、京大、阪大、東北大、名大、北大、早稲田、神大、九大、東工大)。また、ICUは無試験入学が可能である。

6.AIPの入学条件
 同校の入学基準を充足し、かつ英語運用能力が英検2級(TOEFL470程度)以上あることが条件となる。面接では、英語だけの環境に順応できるかどうかを見極める。


立命館宇治高等学校のIBDPコーディネータからのご挨拶:

 立命館宇治高等学校は、国際バカロレア ディプロマプログラムの候補学校になったことを喜ばしく思います。優秀な学生を生み、社会に貢献できる若い学生を育成するIBDPカリキュラムは、世界中の大学や高等教育機関で認められておりますが、日本では、全ての学校で実施することができるとは限りません。しかし、国際教育を信念に掲げ、多くの帰国子女を受け入れている本校では、国際バカロレア ディプロマプログラムを実行できる候補学校としてIBOが本校を受け入れてくれました。

 化学、国際関係、環境、ビジネス、金融、法律など、現在の学生が興味もつ学習や職種をみてみると、日本はすでにこれらの分野で世界に大きな影響を与えています。これらの分野で成功したいと思う若い学生は、世界的な視野を持ち、多種多様な方面から問題を解決し、英語で読みコミュニケーションをとることができなければいけません。国際バカロレア ディプロマプログラムは、学生と学校両方にそれらの知識を育てる準備を与えてくれます。本校が正式に認定されたときに、IBは立命館宇治高等学校に国際基準でチャレンジングなカリキュラムを提供します。そして、それらは、本校の特有な方針に打ち解けると考えます。本校で、将来、IBDPが認定されるということは、全く新しいシステムを導入したり、また、今あるカリキュラムに少しばかり手を加えたりということだけではありません。それとは反対に、IBDPが認定されれば、本校や立命館全体のシステムが考える信念や教育方針に、国際的に認められたカリキュラムをスムーズに受け入れることができます。

 現時点では候補学校としかIBDPから認定されていませんが、立命館宇治高等学校は、立命館学園を、将来性のある、国際意識の高い教育を提供する学校のリーダーを維持できるよう、支えることができると考えています。

【「ファイルのダウンロード」リンクについて】
上から「プレスリリース原稿」「IBプレゼン資料」「コーディネータ挨拶」のPDFファイルをダウンロードすることができます。