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岡山大学など日韓欧12機関が「エラスムス・ムンドゥス計画」に基づくコンソーシアムを設立

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12月1日、岡山大学をはじめ東京工業大学、慶應義塾大学、早稲田大学など日韓欧12機関が企画・提案したBEAM(Build on Euro-Asian Mobility)プログラムが、EUとアジア圏の学生・研究者交流を国際的枠組みで促進する欧州委員会の交流事業「エラスムス・ムンドゥス計画2009-2013」に採択され、コンソーシアムを設立した。今後は3協力機関とともに、博士課程の学生やポスドクの研究者、教員の交流を行う。

 このたび、EUとアジア圏の学生・研究者交流を国際的枠組みで促進する欧州委員会の交流事業「エラスムス・ムンドゥス計画2009-2013」に、岡山大学、東京工業大学、慶應義塾大学、早稲田大学の日本4および韓国2、EU6の計12教育機関が企画・提案したBEAM(Build on Euro-Asian Mobility)プログラムが採択された。

 同計画は第II期目で、予算や関連地域は過去最大規模。この計画において、初めて日本の大学とEUの教育機関が対等に連携し、博士課程の学生やポスドク研究者、常勤教職員の3つのレベルでの相互交流が行われる。これにより両地域間の研究交流の体制の強化が見込まれる。

 BEAM参加の12機関は、プログラム推進のため12月1日にコンソーシアムを設立。3協力機関とともに、この計画で授与される総額150万ユーロ(約1.7億円)もの交流費で、博士課程の学生やポスドクの研究者、教員の交流を行う。

【エラスムス・ムンドゥス計画】
 1987年に始まり、欧州の学生に出身国以外の欧州諸国で学ぶ機会を提供してきた「エラスムス計画」の世界版。第I期(2004~2008年)に続く第II期(2009~2013 年)は、約4倍の予算規模(9億5000万ユーロ)で行い、日本から参加する大学も、EUの大学と同等の役割を分担する。

【BEAMプログラム】
 2009年度のエラスムス・ムンドゥス事業の呼びかけに呼応し、エコール・サントラル・パリ校を中心にした15機関が、高等教育・研究および管理の分野で、ヨーロッパとアジア圏工業国に学術と人材育成面で交流をもたらすことを目的に企画。エラスムス・ムンドゥス計画のアクション2(注3)、East Asia部門に応募した7件の中から、唯一採択された。

【交流事業の内容】
 EUの6教育機関、アジア圏の6大学(日本4、韓国2)間で、必要に応じて関連研究機関の協力を得て博士課程の学生やポスドク研究者、教員の交流を行う。EUの51人、アジア圏の33人に、交流経費として総額150万ユーロ(約1.7億円)が授与される。
 優れた教育ならびに研究遂行に実績のある国内の大学と、EUの代表的教育機関の連携による国際交流を通じた若手人材の育成は、EUとアジアの架け橋となり、科学・文化・経済交流が促進される。また、博士課程の学生や研究者の国際双方向交流がより密接になり、各教育機関の世界への展開力強化の礎を築くことが期待される。

【参加機関】
●EU圏
 エコール・サントラル・パリ(フランス)(幹事校)
 エコール・サントラル・ナント(フランス)
 インペリアル・カレッジ(英国)
 ミュンヘン工科大学(ドイツ)
 ブリュッセル自由大学(ベルギー)
 マドリード工芸大学(スペイン)
●アジア圏
 岡山大学(日本)
 東京工業大学(日本)
 慶應義塾大学(日本)
 早稲田大学(日本)
 漢陽大学校(韓国)
 韓国科学技術院(KAIST)(韓国)
※上記12機関でコンソーシアムを構成

【協力機関】
 C.I.E.S.(Center of Integrated Engineering for Sustainable Society)(フランス)
 T.I.M.E.(Top Industrial Managers for Europe)(フランス)
 高輝度光科学研究センター(日本)

【今後の日程】
 (1)2010年11月までに、各教育機関長名でコンソーシアム設立同意文書に署名。
 (2)各教育機関内で、交流者を受け入れる研究課題を公募。
    2010年11月30日までに幹事校のエコール・サントラル・パリに申請。
    幹事校にて研究課題を決定。
 (3)各教育機関で、派遣を希望する博士課程の学生・ポスドク研究者・教員を公募。
    2011年1月23日までに申込みを行う。
 (4)同年3月の採択会議で派遣者(プロジェクト終了までの全派遣者リスト)を決定。
 (5)2011年10月から派遣(2014年7月まで)

【岡山大学の取り組み】
 岡山大学では、交流を円滑に行うため、EUの参加校と大学間交流協定を締結する予定。学内組織として、学部・研究科などの枠を超えて教育、研究の高度化と活性化を推進する「教育研究プログラム戦略本部」にエラスムス計画実施委員会(仮称)を設立し、事業の推進を図る。

※注
 1.「エラスムス・ムンドゥス計画」の事業名は、「痴愚神礼賛」で有名なオランダの人文学者エラスムスに由来
 2.「エラスムス・ムンドゥス計画 2004-2008」
   第I期(2004~2008年)。EUに留学するEU域外からの学生と研究者が対象約7000件に奨学金又は研究奨学金を授与
 3.「エラスムス・ムンドゥス計画 2009-2013」の3つのアクション
   ●アクション1:ヨーロッパの大学と第3国の大学との間の修士課程及び共同博士課程の開設
   ●アクション2:ヨーロッパの大学と第3国の高等教育機関によるコンソーシアムの形成と、博士課程の学生、研究者の交流。学士課程・修士課程・博士課程の学生、ポスドク・研究者、教職員へ奨学金を提供。
   ●アクション3:ヨーロッパの高等教育の促進
 4.BEAMプログラムに関する詳細な情報は http://www.ecp.fr/em_beam/
   エラスムス・ムンドゥスに関する詳細な情報は http://eacea.ec.europa.eu/ を参照

▼本件に関する問い合わせ先
 ●BEAMプログラムについて
  岡山大学自然科学研究科 教授 池田 直
  TEL: 086-251-7808
 ●その他
  岡山大学学長戦略室
  TEL: 086-251-7293