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創価大学は7月27日(金)、16:30から飯舘村の菅野典雄村長を招き、「21世紀大学教育セミナー」(創価大学・東京新聞共催)を同大S201教室で開催した。会場には、定期試験終了後の同大学生、大学院生、教育関係者、また一般の方々、福島県や飯舘村から訪れた方など、約500名が参加した。
菅野村長は、「『おカネの世界』から『いのちの世界』へ」とのテーマで80分講演。「私たちの村は、風のいたずらで全村避難となってしまいました」とし、今日本は第3の転換期にあると話を始めた。世界一安全な国は今、危ない国になっているとし、“自分さえ良ければいい”という傾向があり、人と人との関係が希薄になっていると具体的な事例をあげ指摘。そして、「福島でいう“までい(真手=丁寧に、大切に、じっくりなど)”ライフが大切だと思う。心を大切にすることが大事です」と続けた。
また、高い放射線量で全村避難となった飯舘村の現状と対応について、「村民の人たちは、生活のリスクと放射能のリスクのバランスの中で生きています。張り合い、やりがいをどうするか、毎日会議し、対応に追われています」、「ベストはないがベターはあると思い、前に進んでいます」、「自然災害はゼロからのスタートだが、放射能の被害はゼロへ向かっての戦いです。不安も生活苦もある。放射能は人の心を分断します。親子、夫婦でも考えが違います。保証問題もあります。心の分断との戦いです」と述べた。最後に、1.大量生産・大量消費・大量破棄の社会の見直し、2.互いに気遣う日本人らしさを大切にし、3.自分で行動し自分で責任を取る一人一人になっていきたいとし、「次世代に迷惑をかけない社会、住みやすく美しい社会を作っていかなければならない。これが第3の転換期だと思います」と講演を締めくくった。
山本英夫学長は、宮城県女川町で復興に携わる卒業生・神山梓さんの活躍、留学生会主催のチャリティーイベント、東日本国際大学からの留学生受け入れ、創大ボランティアの活動を通して、「人間への挑戦」「世界への挑戦」「未来への挑戦」について話した。
参加者からは、「避難区域で奮闘される村長の生の声を聞くことができ、原発問題は終わっていないと実感しました。学長の話から、創大生の活躍を改めて知りました」(学生)、「姉から誘われて参加しました。村民のため、どのようにしていけばよいかなど、分かりやすく教えてもらい勉強になりました。創価大学の3つの挑戦が大震災で発揮されたのですね」(高校生)、「本当に良い社会、日本を作っていくため、勉学に誰よりも励んでいきたいと思いました。建学の精神を学び、未来を創りだしていきたい。大きな原点になりました」(学生)、「自分の人生を見直し、未来への一歩にできるよう考え、行動に移したい」(主婦)、「放射能の問題は、物質的な問題と取り上げられがちですが、そこには、常に“人”がいることを忘れてはいけないと感じました」(学生)などの感想があった。
大学・学校情報 |
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大学・学校名 創価大学 |
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URL https://www.soka.ac.jp/ |
住所 東京都八王子市丹木町1-236 |
建学の精神に基づき、地域社会や地球社会の課題と真摯に向き合い、人々の幸福と世界の平和の実現に貢献する「創造的人間」、すなわち、価値創造を実践する「世界市民」の育成を目指します。 そのために、たしかな「知力」を基盤とし、不確かな未来を切り開く「創造性」を発揮する力、協働する人々の価値観や理念など「多様性」を受容(寛容)する力を育む教育に取り組みます。 |
学長(学校長) 鈴木美華 |