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昭和大学などの研究グループが「薬剤及び該薬剤を用いて腎臓病を治療又は予防する方法」に関する特許を取得

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昭和大学(東京都品川区/学長:久光正)の柴田佳太准教授(薬学部基礎医療薬学講座薬理学部門/教授:野部浩司)らの研究グループは、「薬剤及び該薬剤を用いて腎臓病を治療又は予防する方法」の発明において特許を取得しました。これにより、有効な治療薬が存在しない急性腎障害 (AKI) に対する治療薬の開発に繋がることが期待されます。

【発明の背景】
 急性腎障害 (AKI) は、腎機能の急激な低下を特徴とする疾患であり、世界中の入院した成人患者の22%が経験するといった報告もあります。また、入院中の重症患者のAKIに関連する死亡率は50%を超えており、生存している患者さんでも長期の血液透析が必要となることが多く、予後不良となることは深刻な問題とされています。世界中でAKIの治療に関して様々な研究が行われていますが、AKIに有効な治療薬は現在も存在しません。

【当該特許の概要】
 従来から我々の研究グループが使用している真菌由来化合物SMTPs(Stachybotrys microspora triprenyl phenols)が有する抗炎症作用および抗酸化作用により、AKIによる腎機能低下や尿細管傷害を抑制することが示唆されており、現在も有効な治療薬が存在しないAKIに対する治療薬の開発に繋がることが期待されます。また、産学連携によって成立した当該特許を基に、AKIを適応症と想定した第I相臨床試験に向けた準備が進められています。

【特許出願から取得までの経緯】
 昭和大学と株式会社ティムスの研究グループは、「薬剤及び該薬剤を用いて腎臓病を治療又は予防する方法」の発明について、2018年3月23日に共同出願しました。株式会社ティムスとBiogen MA, Inc.(以下、「Biogen」)が2018年6月5日付で締結したOption Agreement(以下、「オプション契約」)に基づく2021年5月11日付オプション権行使に伴い、株式会社ティムスの持分がBiogenに譲渡され、下記の特許が2023年9月26日に成立しました。

【特許概要】
・発明の名称 : 薬剤及び該薬剤を用いて腎臓病を治療又は予防する方法
・特許番号 : 日本 特許第7356113号
・国際公開番号 : WO2019/181388

▼本件に関する問い合わせ先
 昭和大学 薬学部 基礎医療薬学講座 薬理学部門
 准教授 柴田 佳太
 TEL: 03-3784-8212
 E-mail: kshibata@pharm.showa-u.ac.jp

▼本件リリース元
 学校法人 昭和大学 総務部 総務課 大学広報係
 TEL: 03-3784-8059
 E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp

★20231027_143104【加工】.jpg 左から、昭和大学統括研究推進センターの三邉武彦センター長、研究チームの柴田佳太准教授、橋本光正兼任講師、野部浩司教授