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中部大学 臨地実習推進部 看護実習センターの山本司助教と生命健康科学部 スポーツ保健医療学科の伊藤守弘教授らによる予防医学の研究チームは、2024年春に大学1年から4年生の合計9392人を対象として口腔衛生に関するアンケートを実施し、有効回答が得られた5651人の調査データをまとめた。
その結果、大学生全体で口腔の健康状態を悪いと認識している学生は24.1%に及んだ。
1. 研究成果のポイント
・大学生を対象とした5000人超の調査で、口腔衛生の実態が明らかに
・学年が上がるにつれ、口腔疾患受診率と歯磨き習慣が低下
・大学生における口腔の健康状態に影響を与える要因が判明
・口腔疾患が原因となる糖尿病や心血管疾患リスクを減らす意識向上の指導が必要
・大学生を対象とした5000人超の調査で、口腔衛生の実態が明らかに
・学年が上がるにつれ、口腔疾患受診率と歯磨き習慣が低下
・大学生における口腔の健康状態に影響を与える要因が判明
・口腔疾患が原因となる糖尿病や心血管疾患リスクを減らす意識向上の指導が必要
2. 発表概要
日本では高等学校まで口腔疾患の検査が実施される。ところが卒業以降は検査の義務は無く、大学では定期健康診断で内臓や目、耳などは調べるものの、口腔は検査項目に含まれていない。そのため、口腔衛生行動は疎かになり、歯周病や、傷口から侵入する細菌によって糖尿病や心血管疾患を引き起こす可能性が考えられる。
日本では高等学校まで口腔疾患の検査が実施される。ところが卒業以降は検査の義務は無く、大学では定期健康診断で内臓や目、耳などは調べるものの、口腔は検査項目に含まれていない。そのため、口腔衛生行動は疎かになり、歯周病や、傷口から侵入する細菌によって糖尿病や心血管疾患を引き起こす可能性が考えられる。
中部大学 臨地実習推進部 看護実習センターの山本司助教と生命健康科学部 スポーツ保健医療学科の伊藤守弘教授らによる予防医学の研究チームは、2024年春に大学1年から4年生の合計9392人を対象として口腔衛生に関するアンケートを実施し、有効回答が得られた5651人の調査データをまとめた。
その結果、大学生全体で口腔の健康状態を悪いと認識している学生は24.1%に及んだ。また、1989年から厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動(8020運動)を知らない学生や意識的に歯磨き道具の選定をしていない学生、齲歯や歯周病を意識して歯磨きしていない学生は、口腔の健康状態が悪いと認識していた(表1)。口腔衛生に関する知識や意識が、口腔状態の認識を悪くしていると考えられる。
1年生から4年生を学年別でみた結果(表2)、歯科医院で定期健診を受けている比率は、徐々に減少した。歯磨きについての質問では、磨かないか毎日1回磨くだけの比率が顕著に増加した。一方で口の中の健康に対する興味は増加した。口腔衛生は意識しているにもかかわらず年々検査を受けなくなる原因として、歯科治療中の痛みの不安という回答や、無料での歯科検査がなくなることによる治療費の負担が考えられる。
この他、本調査で、大学生において口腔の健康状態を良好に保つ因子として、齲歯などの口腔疾患や症状がないこと、1日2回以上の歯磨き、意識的な歯磨きや歯磨き道具の選定、定期的な歯科受診の有無が有意に関連していた。一方で、歯科受診にかかる費用の負担や、治療時の痛みに対する不安は、口腔の健康状態を良好に保つうえでの妨げとなる要因であることが明らかとなったなどの新しい結果が得られた。これらの結果は、6月7日付(中央ヨーロッパ標準時)で健康管理に関する学術誌Healthcare に論文が掲載された。本研究成果は、口腔衛生における知識や意識が口腔症状の自覚に大きく影響を与えることや大学生における口腔衛生への関心と行動のギャップを明らかにするものである。今後は、より実効性の高い口腔保健教育プログラムの構築と普及に向け、縦断的研究および介入研究を通じ、実証的根拠を明らかにしていく。
3. 論文の情報
雑誌名: Healthcare
論文タイトル:Investigation of Oral Health Awareness and Associated Factors Among
Japanese University Students: Analyzing Behaviors Influencing Lifelong Oral Health Promotion
著者:Tsukasa Yamamoto, Manato Seguchi, Yukihiro Mori, Harumi Ejiri, MamoruTanaka,
Hana Kozai, Yoko Iio, Yuka Aoyama, and Morihiro Ito
DOI: 10.3390/healthcare13121370
URL: https://www.mdpi.com/2227-9032/13/12/1370
DOI: 10.3390/healthcare13121370
URL: https://www.mdpi.com/2227-9032/13/12/1370
4. お問い合わせ先
(研究内容に関すること)
山本 司 (中部大学 臨地実習推進部 看護実習センター 助教)
電子メール yama-moto3@fsc.chubu.ac.jp
伊藤守弘 (中部大学 生命健康科学部 スポーツ保健医療学科)
電子メール m-ito@fsc.chubu.ac.jp
▼本件に関する問い合わせ先 |
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中部大学 入試・広報センター(広報課) | |
TEL | : 0568-51-5541 |
大学・学校情報 |
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大学・学校名 中部大学 |
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URL https://www.chubu.ac.jp/ |
住所 〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200 |
愛知県春日井市にある中部大学は、1964年に設置された私立大学です。 「不言実行、あてになる人間」の育成を建学の精神とし、約43万㎡の丘に広がる豊かな自然に恵まれた美しいキャンパスには、文系・理系・医療系・教育系の8学部27学科4専攻で学ぶ1万人を超える学生が集っています。 |
学長(学校長) 前島 正義 |