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【中部大学】中部大学、ウガンダで世界初の絶滅危惧種ヨウムのGPSトラッキング放鳥に成功 ―今後の保全活動に向けて重要な一歩―

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中部大学(愛知県春日井市)は、アフリカで絶滅の危機に瀕する大型インコ「ヨウム」の保全を目的に、ウガンダにおいて国際協力機構(JICA)と共同でプロジェクトを進めています。このたび、同プロジェクトにおいて、現地カウンターパートであるウガンダ野生生物センター(UWEC)およびウガンダ野生生物庁(UWA)と協力し、保護ヨウムの放鳥およびGPSトラッキングによる行動追跡に成功しました。アフリカにおけるインコ類でのGPS追跡は世界初の試みであり、ウガンダ側から強く求められていた放鳥技術の移転を実現する大きな成果であるとともに、今後の保全活動に向けた重要な一歩となります。

 ヨウムはアフリカ中西部から東部にかけて生息し、ペット需要による乱獲や密輸で数を減らしてきました。2016年にはワシントン条約で野生個体の国際取引が禁止されましたが、近年も減少傾向が続いており、摘発後の個体保護や地域住民を巻き込んだ保全活動が急務となっています。

 中部大学は2022年3月、JICAとの業務委託契約を締結し、「ウガンダ国絶滅危惧種ヨウム保全の地域連携モデルケース構築支援(草の根パートナー型)」を開始しました。本プロジェクトは、一般財団法人自然環境研究センター、北海道大学、岐阜大学等と連携し、現地ではUWEC、UWA、ウガンダ国立マケレレ大学と協力しながら実施しています。

 今回の放鳥は、ヨウムに適したGPS機器の選定や装着方法の確立、野生果実への馴致、飛翔力の判定による個体選抜、さらに地方行政府や民間団体との連携など、2年以上にわたる準備を経て実施されました。自然環境研究センターの中山文仁主席研究員をはじめ、中部大学の牛田一成卓越教授(プロジェクトマネージャー)、土田さやか准教授など複数の専門家が技術的課題を克服し、放鳥の成功に大きく貢献しました。

 すでにGPSデータから、オスとメスで行動範囲や行動様式に大きな違いがあることが明らかになりつつあり、これまで不明だったヨウムの生態解明と今後の保全戦略に重要な知見を提供することが期待されます。

 中部大学は、本事業を2026年5月まで引き続き実施します。中部大学は今後も、国際的なパートナーと連携しながら、自然資源と地域社会を守る持続可能なモデルづくりに取り組んでまいります。

・プロジェクトの詳しい内容について
 https://www.isc.chubu.ac.jp/ushida/Grey_Parrot_Conservation.html
・JICA 草の根技術協力事業(草の根パートナー型)について
 https://www.jica.go.jp/activities/schemes/partner/kusanone/partner/index.html


<お問い合わせ先>
▼事業内容について
 土田さやか 中部大学 応用生物学部 環境生物科学科 准教授
 Eメール: s_tsuchida@fsc.chubu.ac.jp
 電話: 0568-51-9640(研究室直通)

▼本件に関する問い合わせ先

中部大学 入試・広報センター(広報課)

TEL

: 0568-51-5541

E-mail

chubu-info@fsc.chubu.ac.jp

news-51269-01.jpg 写真1. Ngamba島に設置した馴致用ケージ

news-51269-02.jpg 写真2. ウガンダ国営放送の取材を受ける牛田プロジェクトマネージャーとUWEC園長ら

news-51269-03.jpg 写真3. 馴致用ケージから飛び立つヨウム