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昭和医科大学(東京都品川区、学長:上條由美)が設置するメディカルデザイン研究所(横浜市緑区)がデザインした、Mixed Reality(MR)技術とシミュレータを融合させた一次救命処置(BLS)トレーニングツール「ilis(アイリス)」が、2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。本ツールは、臨場感のある学習環境を提供することで、誰もが救命行動に踏み出せる社会の実現を目指しています。
受賞作の概要は以下のとおりです。
<製品名称>
一次救命処置トレーニングツール 「ilis(アイリス)」
<概要>
Mixed Reality(以下、MR)*¹技術とシミュレータを融合させ、一次救命処置(BLS)のトレーニング精度を高めるツールのデザイン
<デザインのポイント>
① MR技術とシミュレータを融合させ、一次救命処置(BLS)のトレーニング精度を高めます。
② HMD*²を通して、シミュレータ上の人とだけでなく、周囲の人々のざわめきや環境を体感できます。
③ HMDやシミュレータの仕様変更に柔軟に対応できるソフトウエアを迅速に開発し提供できます。
*1 Mixed Reality
現実世界と仮想世界を融合するテクノロジーです。MRと略して呼ばれることもあります。ユーザー自らが創造の世界に没入することのできる仮想現実Virtual Reality(VR)とは異なり、MRは現実世界に仮想的なオブジェクトを重畳することができます。また、拡張現実と呼ばれるAugmented Reality(AR)とも異なり、MRは現実世界にあるものと仮想的に表現されたオブジェクトがさまざまな次元で相互作用します。
*2 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
Head Mounted Displayの略で、左右の目の視差を用いた立体映像によるVR(仮想現実)の表示装置の総称です。 ゴーグルのような形状のディスプレイを、両眼に覆い被せるよう頭部に装着します。
<デザインが生まれた理由/背景>
駅や学校など公共の場で突然倒れた人の命を救うためには、その場に居合わせた人の適切な一次救命処置(以下、BLS)が不可欠となります。
<製品名称>
一次救命処置トレーニングツール 「ilis(アイリス)」
<概要>
Mixed Reality(以下、MR)*¹技術とシミュレータを融合させ、一次救命処置(BLS)のトレーニング精度を高めるツールのデザイン
<デザインのポイント>
① MR技術とシミュレータを融合させ、一次救命処置(BLS)のトレーニング精度を高めます。
② HMD*²を通して、シミュレータ上の人とだけでなく、周囲の人々のざわめきや環境を体感できます。
③ HMDやシミュレータの仕様変更に柔軟に対応できるソフトウエアを迅速に開発し提供できます。
*1 Mixed Reality
現実世界と仮想世界を融合するテクノロジーです。MRと略して呼ばれることもあります。ユーザー自らが創造の世界に没入することのできる仮想現実Virtual Reality(VR)とは異なり、MRは現実世界に仮想的なオブジェクトを重畳することができます。また、拡張現実と呼ばれるAugmented Reality(AR)とも異なり、MRは現実世界にあるものと仮想的に表現されたオブジェクトがさまざまな次元で相互作用します。
*2 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
Head Mounted Displayの略で、左右の目の視差を用いた立体映像によるVR(仮想現実)の表示装置の総称です。 ゴーグルのような形状のディスプレイを、両眼に覆い被せるよう頭部に装着します。
<デザインが生まれた理由/背景>
駅や学校など公共の場で突然倒れた人の命を救うためには、その場に居合わせた人の適切な一次救命処置(以下、BLS)が不可欠となります。
誰もがBLSを行えるようにするために、人形を用いた心臓マッサージや人工呼吸などのBLSのトレーニングが行われていますが、実際に人が倒れた場合、その人の状態や表情、周囲の人々の声や環境音など、トレーニングとは異なる状況が多く、冷静に対応するのは簡単ではありません。その上、人の命を左右する場面で、自分の対応が正しいのかどうかという不安も重なり、トレーニングの成果を発揮しづらいことが、かねてから課題となっていました。
目の前で突然人が倒れる状況に直面する機会は少ないため、医療系大学の看護教育でBLSのトレーニングを受けた者であってもその成果を活かしづらいという課題の解決を望む思いが、当デザイン開発の背景にあります。
<デザインを実現した経緯とその成果>
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、心肺蘇生法(CPR)トレーニング用シミュレータに沿って傷病人の3DCGが見えるだけでなく、周囲の環境(現在は駅のプラットホーム内の建造物や電車、人垣)などのビジュアル情報に加え、環境音や人声などを再生できるソフトウエアを開発しました。加えて、トレーニング者の声を認識できる機能を持たせることでトレーニング者の振る舞いに呼応したフィードバックが得られるため、現場の様子をよりリアルに体感することができるよう工夫しました。
当デザインを用いたBLSトレーニングを、医療系学生をはじめ、小中高などの学校でも実施し効果測定を行なった結果、トレーニング者の緊張感、真剣度が通常のトレーニングよりも高くなることの検証ができているため、実践性の向上が期待できます。
当デザインはJSPS科研費JP19K19545の助成を受けて開発され、日本医学教育学会での評価も得ています。
<デザインの改良、競合・類似デザインとの差異について>
MR技術とシミュレータの融合によるBLSトレーニングツールに類似例はないものの、MR技術を応用したデザインは多数存在します。それらとの大きな違いは、当デザインを実施するために必要なソフトウエア開発企業と連携することによって、使用するハードウエア(HMDやシミュレータ)の種類やOSの違い、進化に合わせて柔軟に対応できる体制ができている点にあります。これは、継続的なアップデートが容易であることも意味しています。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、心肺蘇生法(CPR)トレーニング用シミュレータに沿って傷病人の3DCGが見えるだけでなく、周囲の環境(現在は駅のプラットホーム内の建造物や電車、人垣)などのビジュアル情報に加え、環境音や人声などを再生できるソフトウエアを開発しました。加えて、トレーニング者の声を認識できる機能を持たせることでトレーニング者の振る舞いに呼応したフィードバックが得られるため、現場の様子をよりリアルに体感することができるよう工夫しました。
当デザインを用いたBLSトレーニングを、医療系学生をはじめ、小中高などの学校でも実施し効果測定を行なった結果、トレーニング者の緊張感、真剣度が通常のトレーニングよりも高くなることの検証ができているため、実践性の向上が期待できます。
当デザインはJSPS科研費JP19K19545の助成を受けて開発され、日本医学教育学会での評価も得ています。
<デザインの改良、競合・類似デザインとの差異について>
MR技術とシミュレータの融合によるBLSトレーニングツールに類似例はないものの、MR技術を応用したデザインは多数存在します。それらとの大きな違いは、当デザインを実施するために必要なソフトウエア開発企業と連携することによって、使用するハードウエア(HMDやシミュレータ)の種類やOSの違い、進化に合わせて柔軟に対応できる体制ができている点にあります。これは、継続的なアップデートが容易であることも意味しています。
また、現在は駅構内を想定したCGをデザイン開発していますが、使用者からの要望に応じた環境設定や言語に対応したCG開発も可能なため、広く社会に浸透させることも期待できます。当デザインを広く社会に浸透させるための方策とし、定期的にBLSトレーニングを実施している医療機関や消防庁などへの導入を進めることも計画しています。
<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>
本製品は、一次救命処置の現場がリアルに再現された形でトレーニングを受けることができ、人形等を用いた教育では培いにくかった訓練者の自信醸成や不安低減に対し、画期的な解決を提供している点が高く評価された。公共の場で突然倒れた人への処置である一次救命は、実際の現場ではさまざまな状況が複雑に立ち現れるが、MR(ミックスド・リアリティ)技術とシミュレータを融合させることで、人の命を左右するという「不安と緊張があふれる」場面において、訓練者は超リアルにトレーニングができる。医療系学生のみならず、小中高などの場面でも本製品が効果の高いトレーニングであることを実証しており、一次救命処置に対する関係者一同の強い想いが、誠実に丁寧にデザインプロセス全体に落とし込まれている。
<グッドデザイン賞ウェブサイトでの紹介ページ>
https://www.g-mark.org/gallery/winners/31734?years=2025
11月1日(土)〜5日(水)に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて、受賞作を展示します。
●グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
(参考) https://www.g-mark.org/
【昭和医科大学メディカルデザイン研究所の紹介】
昭和医科大学メディカルデザイン研究所は、デザインで病院内のQOLを向上させることが目的です。
たとえば、病院内におけるさまざまな案内、照明、待合室などのデザインを工夫することで、来院される方に安心感とリラックスできる環境を提供することや、病衣や医療従事者のユニフォームなどを機能性だけではなくファッション性も考慮し、患者さんや医療従事者のQOLの向上を図ることを考えています。
また、包括連携協定を締結している多摩美術大学の多種多様な工作機械を活用し、患者さん一人一人にあった自助具や外科医が自作する治具などを製作することを計画しています。加えて、メディカルデザイン研究所でデザインされた物事の知的財産の活用も念頭に置いています。
将来的な展望として、医術をデザインで支え、誰もが創造的で心身とも健康になれる場づくりを目指したいと思っています。
https://www.showa-u.ac.jp/research/imd-start/
【関連記事】
・昭和大学とロケットスタジオがMixed Realityを用いた看護基礎教育向けの新たな教育ツールを開発(2023.06.15)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-50857.html
▼本件に関する問い合わせ先
昭和医科大学メディカルデザイン研究所
E-mail: imd-start@med.showa-u.ac.jp
▼本件リリース元
学校法人 昭和医科大学 総務部 総務課 大学広報係
TEL: 03-3784-8059
E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp
<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>
本製品は、一次救命処置の現場がリアルに再現された形でトレーニングを受けることができ、人形等を用いた教育では培いにくかった訓練者の自信醸成や不安低減に対し、画期的な解決を提供している点が高く評価された。公共の場で突然倒れた人への処置である一次救命は、実際の現場ではさまざまな状況が複雑に立ち現れるが、MR(ミックスド・リアリティ)技術とシミュレータを融合させることで、人の命を左右するという「不安と緊張があふれる」場面において、訓練者は超リアルにトレーニングができる。医療系学生のみならず、小中高などの場面でも本製品が効果の高いトレーニングであることを実証しており、一次救命処置に対する関係者一同の強い想いが、誠実に丁寧にデザインプロセス全体に落とし込まれている。
<グッドデザイン賞ウェブサイトでの紹介ページ>
https://www.g-mark.org/gallery/winners/31734?years=2025
11月1日(土)〜5日(水)に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて、受賞作を展示します。
●グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
(参考) https://www.g-mark.org/
【昭和医科大学メディカルデザイン研究所の紹介】
昭和医科大学メディカルデザイン研究所は、デザインで病院内のQOLを向上させることが目的です。
たとえば、病院内におけるさまざまな案内、照明、待合室などのデザインを工夫することで、来院される方に安心感とリラックスできる環境を提供することや、病衣や医療従事者のユニフォームなどを機能性だけではなくファッション性も考慮し、患者さんや医療従事者のQOLの向上を図ることを考えています。
また、包括連携協定を締結している多摩美術大学の多種多様な工作機械を活用し、患者さん一人一人にあった自助具や外科医が自作する治具などを製作することを計画しています。加えて、メディカルデザイン研究所でデザインされた物事の知的財産の活用も念頭に置いています。
将来的な展望として、医術をデザインで支え、誰もが創造的で心身とも健康になれる場づくりを目指したいと思っています。
https://www.showa-u.ac.jp/research/imd-start/
【関連記事】
・昭和大学とロケットスタジオがMixed Realityを用いた看護基礎教育向けの新たな教育ツールを開発(2023.06.15)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-50857.html
▼本件に関する問い合わせ先
昭和医科大学メディカルデザイン研究所
E-mail: imd-start@med.showa-u.ac.jp
▼本件リリース元
学校法人 昭和医科大学 総務部 総務課 大学広報係
TEL: 03-3784-8059
E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp
大学・学校情報 |
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| 大学・学校名 昭和医科大学 |
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| URL https://www.showa-u.ac.jp/ |
| 住所 品川区旗の台1-5-8 |
| 昭和医科大学は医学部、歯学部、薬学部、保健医療学部の4学部が揃う「医系総合大学」です。創立以来、“常に相手の立場に立ってまごころを尽くす”という意味の「至誠一貫」を建学の精神に掲げ、思いやりのある人間性豊かな医療人の育成を最大の使命として、教育と研究に取り組んでいます。患者さんに誠意を持って接し、患者さん本位の医療を提供すること。そして忘れてはならないのは医療人同士の思いやりです。昭和医科大学には、この医療人同士が心を通じ合わせて治療にあたる「チーム医療」の学びがあります。 1年次の富士吉田キャンパスでの全寮制では4学部の学生が一緒に生活し、医療人として大切なコミュニケーション能力と相手を思いやる心を育みます。そして2年次より専門科目を学びながら、継続的に最終学年まで体系的なチーム医療教育を実践しているのが大きな特色です。 |
| 学長(学校長) 上條 由美 ( かみじょう ゆみ ) |
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