宮崎国際大学

ファストフードの利用頻度が、大学生のBMI(体格指数)やGPA(学業成績)に相関関係──宮崎国際大学の小林太准教授の研究論文が「Nutrition & Food Science」誌に掲載

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宮崎国際大学の小林太准教授(Ph.D. テキサス大学)はこのたび、日米の大学生のファストフード利用頻度とBMI(体格指数)、GPA(学業成績)の相関関係について調査研究を実施。その結果が、ヨーロッパで発行され全世界で購読されている食と栄養に関する学術誌「Nutrition & Food Science」第39巻第5号の555ページから566ページに掲載された。

 アメリカではこの20年間で、大学生を含む年代である10代から20代の若者に、高血圧症や2型糖尿病といった肥満に伴う疾患が著しく増加している。併せて、1977年から1996年までの約20年間に、全米の19歳から29歳までの若者におけるファストフードの利用頻度も急増している。

 20歳代の若者は、アメリカの成人の中で最も多くファストフードを利用する年代グループであり、同国内の55歳以上の成人グループと比較して4.3倍利用しているという。
 動物実験では、ファストフードを模した、高脂肪で糖分過多の食生活を3か月間続けたネズミは、普通の食生活のネズミよりも著しく体重が増加し、血糖値も高かった。さらに、肥満のネズミは普通体重のネズミよりも学習能力が低かったことも報告されている。

 今回の小林太准教授の研究では、日本人大学生被験者72名と米国人大学生被験者57名のBMI(体格指数)、BMIによる参加者の体型(痩せている、標準、太っている)、GPA(学業成績)およびファストフード利用頻度の因子についての相互関係を調査した。
 米国人に関しては、GPAがBMIとファストフード利用頻度の双方に対して負に相関し、BMIとファストフード利用頻度は正に相関していた。また、GPAとファストフード利用頻度の負の相関は日本人にも表れた。体型の違いによるGPAの差異は日米共に見られなかった。米国人のGPAに関しては、ファストフード高頻度利用者の方がファストフード低頻度利用者よりも低い有意傾向があった。
 一方、日本人においては女子のGPAに関して、ファストフード高頻度利用者の方がファストフード低頻度利用者よりも有意に低い結果となった。

 結論として、本研究は調査研究であり実験研究ではないため相関関係を示すのに過ぎず、因果関係を示すことはできなかったが、ファストフード利用頻度は体型の面からも学業成績の面からも良いことには結びついていない事実を報告できた。

▼本件に関する問い合わせ先
 宮崎国際大学 入試広報室
 宮崎県清武町加納1405
 TEL: 0985-85-5931
 FAX: 0985-84-3396
 E-mail: admissions@miyazaki-mic.ac.jp
 http://www.mic.ac.jp