【ニュース特集】大学の未来を統計で分析 改革に挑む新たな動きも(26年5~6月のアクセスランキング30)
城西大(埼玉県坂戸市)経済学部の松宮慎治助教は2012~21年度の10年間のデータを分析。「地方大学が不利」とする従来の見方は統計的に確認されず、むしろ首都圏や近畿圏、中京圏の3大都市圏郊外に立地する大学のほうが、定員割れリスクが高いことを明らかにした(4位)。
私立大学の定員割れは、これまで偏差値による市場淘汰や地方の小規模校の不利といった文脈で語られることが多かった。しかし、実際にどのような要因が定員割れを左右しているのかについて、データに基づく統計分析は必ずしも十分に行われてこなかった。
研究では、地域条件や大学の特性、年度ごとの変化を区別して分析できる「マルチレベルモデル」を用いて検証。その結果、地方に所在すること自体は定員割れの直接的な要因ではなく、3大都市圏の政令指定都市以外の郊外に位置する大学で、リスクが高まる傾向が確認された。
さらに、偏差値や就職率は単年度の変化よりも、長年培われた実績や評価が受験生の志願行動に影響していることが示唆された。一方、学生数の減少は定員割れを深刻化させる傾向があり、定員削減による充足率改善よりも、学生数を維持・安定させることが重要だとしている。
松宮助教は「一般によく言われていることの妥当性を検証した論文です。イメージではなく、データに基づいた議論にお役立ていただければ」と話す。
(https://www.u-presscenter.jp/article/125079)

一方、大学教育の価値そのものを問い直し、「これからの社会に必要とされ続ける大学」の実現に向けた取り組みを進める清泉女子大(東京都品川区)は6月、事務局長の公募を開始した(9位)。
今回の公募は単なる管理職の採用ではなく、学長とビジョンを共有し、教職員とともに大学の未来を構想・実現していく経営人材を広く社会から募ることを目的としている。
大学事務局長の公募は国内では珍しく、同大が進める大学改革を象徴する取り組みの一つとなっている。応募は6月末で締め切られ、内定通知は8月上旬予定。採用者は27年1月に事務局次長(専任職員)として着任後、28年4月に事務局長(専任職員)に就任の予定。
(https://www.u-presscenter.jp/article/126476)

入試をめぐっても、新しい動きが始まっている。獨協大(埼玉県草加市)は、受験生の負担軽減や、効率性を重視する「タイパ(タイムパフォーマンス)」志向に応えるため、27年度入試から、夕方の時間帯に試験を行う「イブニング入試」を導入する(5位)。
試験日は2月1日で、イブニング入試は、午後4時50分に集合。一日に2回受験が可能となる。試験科目は共通テストの英語の成績を利用し、当日は選択科目の1科目を受験する。機会の拡大や複数日受験の負担軽減を図るほか、東京、新宿、札幌、名古屋、福岡を含む全国13会場で実施し、利便性向上につなげる。
(https://www.u-presscenter.jp/article/127350)

修学キャンパスの都心回帰が進む。都内では中央大が23年に法学部を茗荷谷キャンパスに移転。法政大は30年度を目途に経済学部の市ケ谷キャンパス移転を、実践女子大は31年度を目途に全学部を渋谷キャンパスに集約する予定だ。
こうした中、1・2年次が新座キャンパス(埼玉県新座市)で学ぶ跡見学園女子大は、29年4月から修学地を文京キャンパス(東京都文京区)に集約する準備を進めている。キャンパスは銀座や大手町などのビジネス街にも地下鉄で10分圏内にあり、早期化するインターンシップや就職活動への利便性を高め、学生のキャリア形成を後押しする(16位)。
文京キャンパスが立地する茗荷谷エリアにはお茶の水女子大や拓殖大、中央大など多くの教育・文化施設が集まり、学修環境に恵まれている。今回の改革により、28年度入学生は2年次から、29年度入学生は入学時から同キャンパスで学ぶ予定。学年を超えた交流や課外活動の活性化が期待される。
併せて、今年度中には文京キャンパス1号館1階にカフェ・ラウンジをイメージしたオープンスペースを構想。学生が自由に集い、交流や活動を行える空間になることを目指して検討を重ねている。
(https://www.u-presscenter.jp/article/126972)

■大学プレスセンター ニュースアクセスランキング(2026年5月21日~6月20日)
[1]立正大学(東京) 東京で初めて結成された身体障害者野球チームの実話に基づく、相葉雅紀さん主演の映画『4アウト-もう一度、プレイボール-』(11月6日全国公開)に協賛。学生がエキストラ出演も。(6/9)
[2]武庫川女子大学(兵庫) 甲子園球場に一番近い同大が高大連携事業の一環で、兵庫県立鳴尾高校硬式野球部をサポート。(6/10)
[3]共栄大学(埼玉) 硬式野球部が東京新大学野球春季リーグ戦で2年ぶり5回目の優勝。(5/21)
[4]城西大学(埼玉) 私立大の定員割れリスクは、都市郊外のほうが高い傾向にあることを統計分析で明らかに。(6/4)
[5]獨協大学(埼玉) 27年度から「イブニング入試」を導入。13会場で夕方開始、全学科統一前期との同日併願も可能。(6/16)
[6]長野大学(長野) 森俊也教授のゼミ生「森とゆかいな仲間たち」が24年度からフジランドと協働で道の駅「美ケ原高原」の魅力創出に向けた事業を展開。ショップコーナーはじめ施策の拡大に取り組む。(6/18)
[7]横浜商科大学(神奈川) 県内の大学では初めて、大学運営を再生可能エネルギー100%に転換することを発表。小泉純一郎元首相らも登壇し、文系大学が挑む「商学×脱炭素」の先進モデルを提示。(6/8)
[8]京都先端科学大学(京都) 昭和女子大附属昭和中高(東京都世田谷区)と連携し、中高のカリキュラムを5年で修了した生徒が、高校3年次に1年間、同大の授業を履修できる「五修生制度」を27年度から導入。(5/21)
[9]清泉女子大学(東京) 6月30日まで事務局長を公募。大学教育の価値の再創造に向けた大学改革の取り組みの一つ。(6/2)
[10]東京都市大学(東京) 12月まで、宇宙分野の公開講座「新・星の会」シリーズ(全14回)を開催。(6/3)
[11]北海道医療大学(北海道) 6月に第46回大学祭「九十九祭」を開催。学生団体による出店やステージ発表など多彩な企画を実施。(6/18)
[12]共立女子大学(東京) 6月にパネルディスカッション形式の大学入試2027研究会「なぜ、年内学力入試なのか」を開催。(6/1)
[13]北星学園大学(北海道) 27年4月の情報科学部(仮称・設置構想中)新設に伴い、5月に新校舎の起工式を挙行。(5/21)
[14]日本女子大学(東京) 私立女子大唯一の理学部を進化させ、29年4月に「理工学部(仮称)」の開設を構想中。「医薬工学専攻(仮称)」の新設も含め、新たな産業分野を創生・牽引する力を持った理系女性人材の育成を目指す。(5/21)
[15]東京都市大学(東京) 27年4月に学部等連係課程「創発デザイン工学環」を開設する同大が、多摩美術大(東京都世田谷区)との連携協定を改めて締結。工学とデザインの融合による新たな教育研究を目指す。(6/18)
[16]跡見学園女子大学(東京) 新座キャンパス(埼玉県新座市)を有する同大が、29年度より文京キャンパスに一元化する準備を開始。(6/9)
[17]武庫川女子大学(兵庫) 27年4月に共学化し、「武庫川大学」に名称変更する同大の「キャンパスガイド2027」が5月に完成。(5/21)
[18]関西大学(大阪) 29年3月完成を目指し、学生会館「誠之館群」の建替計画が始動。エントランス空間で大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の一部を再現し、その理念や価値、記憶を継承。(6/18)
[19]昭和医科大学(東京) 血液1滴による大腸がんスクリーニング技術を、同大先端がん治療研究所の伊藤寛晃准教授らの研究グループが開発。がん診断だけでなく、治療効果の判定や再発の診断にも使用できる可能性を示唆。(6/15)
[20]法政大学(東京) 宗教を問わず利用できる「祈りの場所(Prayer Space)」と「DEIセンター」を3キャンパスで展開。(6/8)
[21]武庫川女子大学(兵庫) 共学後のキャンパスライフを描くMBS(毎日放送)放映中の連続ドラマ「向こう側の僕」の延長が決定。(6/16)
[22]フェリス女学院大学(神奈川) 新理事長に常務理事の神谷明氏(岡三証券社外取締役)が就任。任期は29年度定時評議員会終結時まで。(6/15)
[23]実践女子大学(東京) JALグループと教育連携協定を締結。現役客室乗務員の参画による、多角的なキャリア支援などを予定。(5/26)
[24]関西大学(大阪) 吹田市のふるさと納税で、返礼品に同大の研究が生んだ蕎麦や学長らによるキャンパスツアーなどを展開。(5/21)
[25]実践女子大学(東京) 6月に渋谷キャンパスで献血会を開催。若年層の献血離れに向き合い、経済産業省主催の社会起業家育成プログラム「ゼロイチ」でも表彰された同大3年・星野綾子さんの企画立案を大学がかなえる。(6/15)
[26]東京大学(東京) 初代ローマ皇帝アウグストゥス終焉の地とされる古代ローマ遺跡「ソンマ・ヴェスヴィアーナ発掘プロジェクト」の資金難を受け、緊急支援キャンペーンで6月30日まで1500万円の寄付を呼びかけ。(5/22)
[27]神奈川大学(神奈川) 同大の特許技術「三相乳化技術」により、界面活性剤を使わず乳化状態を保持した化粧品4商品がアルソア慧央グループより発売。乳幼児からシニアまで安心して使える、肌へのやさしさと高い保湿力を実現。(6/10)
[28]神奈川工科大学(神奈川) 科学に親しむ夏休み小中高生向けイベント「KAITサイエンスサマー2026」を8月6日に開催(要申込)。(6/5)
[29]白梅学園大学(東京) キャンパスの食堂と大学・短大図書館がリニューアルオープン。「食堂コモンズ」「図書館コモンズ」として、幼稚園から大学院までが同じキャンパスに集まる学園の連携をさらに豊かに育む拠点に。(5/22)
[30]城西大学(埼玉) 薬学部医療栄養学科の学生らが埼玉県比企郡ときがわ町と連携し、食生活調査「ときがわ 食と栄養プロジェクト(Tokigawa-Study)」と魚食推進を図る「Tokigawa-Fish」を展開。地域住民の健康課題に挑む。(6/9)